静岡のできごと 254

8月19日 中日新聞

天竜川の川下り遊覧船転覆事故で、船を運航する天竜浜名湖鉄道(浜松市)が約2年前から、12歳未満の乗客への救命胴衣着用を求めていなかったことが分かった。転覆した船の船頭の一人の大畑茂雄さん(61)が記者会見で明らかにした。船舶職員法は、12歳未満の乗船者への救命胴衣着用を運航者に義務付けている。大畑さんは「2年ほど前から『横に置いておいて』と言うようになっていた」と証言した。「船舶免許を持っているので違法性は知っていた」とも述べ、違反と知りながら未着用を認め、常態化していたことを明らかにした。松野幸夫営業課長も「出発を見送る際、子どもが救命胴衣を着けていないのを何度か見たことがある」と説明した。注意した際、乗員らは「着けさせます」と答えていたという。名倉健三社長は着用を求める規定を「事故が起きるまで知らなかった」と釈明した。

乗船した12歳未満の子ども6人のうち、胴衣を着けたのは1人で、行方不明の望月柾良(まさよし)ちゃん(2つ)=浜松市西区桜台=は着用していなかった可能性が高い。大畑さんは、急流ポイントで船が制御不能に陥った状況を「いつもと同じ角度で渦に入ったが、左からの流れに押された。立て直す間もなく、3、4秒で、あっという間に岩にぶつかった」と説明した。大畑さんが船首側でガイド役を務め、行方不明となっている北橋国幸さん(66)=浜松市天竜区西雲名=が船尾側で操縦していた。国土交通省運輸安全委は18日、新たに派遣された同委員と船舶事故調査官の2人を含む5人で事故現場などを視察した。横山鉄男委員は記者団に「川の流れが複雑。ところどころ白波が立って急流もあるように見えた」と説明。

2人の追加派遣については「痛ましい事故であり、早急な原因究明が必要」と述べた。19日以降は大畑さんや乗客から当時の状況を聴く予定。県警は18日、業務上過失致死傷容疑で同区二俣町の同社本社や同社に遊覧船運航を委託している天竜観光協会など関係先3カ所を家宅捜索する一方、大畑さんから任意で事情聴取した。事故では、北橋さんと望月柾良ちゃんのほか堺市北区百舌鳥赤畑町、無職羽根弘さん(80)が行方不明。県警と消防などは18日早朝から捜索活動を再開したが、手がかりを得られず午後7時に打ち切った。天竜署は死亡した愛知県豊橋市のダンス講師木村周子(ちかこ)さん(67)と、羽根さんの妻の洋子さん(74)の死因を溺死と発表した。

子どもにこそ救命胴衣の着用を義務付けるべきだったのではないでしょうか?2歳の子どもには川下りはちょっと早かったかもしれませんね。まぁ、こんな大惨事が起こると思って乗った乗客は誰一人いませんが…。会社の会見では、ただひたすら船頭さんに罪をなすりつけてことを収束してやろうという考えが見えまくりでした。知らなかったでは済まされない、自分が認識している以上の大惨事だと、いつになったら自覚するのでしょうか。川の流れというものは非常に複雑ですし、渦を巻いているところにわざと突っ込むというのは危険極まりない行為ですね。今まで事故が起きていなかったのが奇跡かもしれません。ただ、いつかこういう取り返しのつかない事故が起きてしまうということです。はしゃぎすぎましたね。まだ行方が分からない乗客の皆さんの捜索を最優先で行っていただきたいと思います。


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