10月26日 毎日新聞
09年度の県立高校の授業料の滞納額が過去最も多い約164万円だったことが県教委のまとめで分かった。前年度の約2倍で、累積の滞納額も過去最多の約257万円。県教委は08年秋の「リーマン・ショック」後の不況が要因とみている。県教委は滞納者に支払いを督促する考えだが、政府が4月から授業料の無償化を始めたことで「さかのぼって払いたくない」などと拒まれるケースが増えないか、懸念している。県教委学校教育課によると、県立高校には全日・定時制を合わせて約6万5500人(09年5月現在)が在籍している。
授業料は全日制で年額11万8800円、定時制で3万2400円。県の授業料収入は09年度で約74億円だった。09年度の滞納者は54人で、これ以前から授業料を払っていない累積滞納者は延べ83人となった。滞納額は05、06年度と連続で増えた。県教委が支払いの督促を強化したことで07年度にいったん減ったが、08年度(87万4721円)から増加に転じた。09年度は前年度からほぼ倍増し、過去最高の163万6261円となった。同課は「厳しい経済状況が影響している可能性はある」と話す。
支払いの督促に対し「高校進学率が100%近いのに、なぜ払わなくてはいけないのか」などと拒まれるケースもあるという。県立高校の場合、生活保護法による生活扶助を受けるなど就学が経済的に厳しい世帯については、申請があれば授業料の全額か、一部を免除している。同課によると、県は全国で制度の利用者が最も少ないが、09年度は全生徒の2・8%にあたる1838人が利用し、前年度の1540人から急増した。
公立高校の授業料を滞納する親がいる一方で、私立に幼稚園から行かせるだけの収入を得ている親もいるわけです。あまりにも格差が開いて親の収入が子供の将来を左右することになる、と昔テレビでしているのを見ましたが、これが現実味を帯びてきている気がしてなりません。教育を受ける権利は平等に保障されているにもかかわらず、経済的な理由で断念しなければいけなくなるというのは個人的には納得できないですね。